theearlyyears
このバンドのもはや入手困難な1st+2nd+α(2ndからの7"シングルのB面2曲)によるコンピのようです。収録は2nd→1stと順番が逆になっており、おそらく順番通りではつまらないだろうという事かとは思いますが、こちらは収録順に書きますと。2nd「Small Mercies」は北欧(ノルウェーですが)ながら時代的には1983年発表ということで既に元祖ネオアコとでも呼べそうで、北欧ならではなのか、メランコリックな主にピアノやシンセなどのキーボード類が目立っている気がする、表現が難しいので例えてしまうとやはりネオアコ系であろうロータス・イーターズはBムーヴィーなどの言わばプロトタイプのような曲調ではと思いました。つまりアコースティックな感触ながらその中に適度なエレクトロニクス感があるネオアコ、エレポップ、どちらとも呼べそうな絶妙な塩梅のバンドサウンドでしょうか、しかしその中にやはり独特のメランコリックな雰囲気があるのが北欧ならではの気もします。

そして次に来る1st「In Silence」の方が個人的には問題作であり、より好きです。それにしても2nd、1stで同じバンドとは思えないほどです。このデビュー当時1980年初頭には北欧のジョイディヴィジョンと呼ばれていただけあって、ポストNWというかそういった流れでしょうか、常にマイナーコード進行的で特にベースがマイナーコードだと思うのですが、そこへズンドコとしたドラムや薄っぺらいギターなどが加わり、2ndとは違った意味でやはりJDをどうしても連想してしまう陰鬱な雰囲気のシンセも目立っています。1stだけ聴いたとすると明らかなほどJDフォロワーなのですが、しかし致命的なほどの違いはやはりボーカルであろうと思い、どこか真似ようとしてる節も感じられますが、Iカーティスのような魂を揺さぶられるほどの凄みはもちろんありません。しかしそれはそれでこのバンドならではのオリジナリティにもなっている気もし何か愛おしいです。2ndの元祖ネオアコ的雰囲気も素敵だと思いますが、やはり1stの素晴らしく鬱でUKのバンドへの憧れがモロに出ているような素直さにも萌えるほど好感が持てます。

何か砕けた表現になりましたが、今でもノルウェーいや北欧のインディ界にRune Grammofonあり、と存在感を示しているその礎となったバンドの1stと2ndという貴重なコンピだと思います。

DISCOGS