madeindetroit
Kevin "Master Reese" SaundersonのレーベルKMS (UK)(Networkとの提携レーベル@バーミンガム)のレーベルコンピのようです。まずかっこいいタイトルとジャケにおそらくこの手が好きな人は手に取らずにはいられないのではないかと思いますし、また収録アーチストのめくるめくような豪華さを見てやはり買わない人は好き者ではないとさえ思うほどです。筆者もそれらイメージから勝手にゴリゴリのデトロイトテクノ系コンピかと思ったのですが、内容的には1〜4が当時UKのレイヴで持てはやされたUR〜御大Kサンダーソン系統のいわばレイヴ系デトロイトテクノ、5〜8が初期の所謂デトロイトハウス、9〜11がまたレイヴ系のデトテク、とじつは買った当初は特に5〜8の収録曲にどうも中途半端な印象がありました。しかしそこから20年以上も経ったいま、通して聴いてみるとなかなか興味深いと言うか、これはこれでやはり当時レイヴの熱狂が一段落した言ってしまえば冷めていった頃の記録として歴史的価値が見いだせるようなコンピなのでは、と思えてきます。特に当初要らないとさえ思った、5〜8の初期デトロイトハウスの名曲群をここでまとめて聴ける事の貴重さにいま愕然としたりします。ただ今でも、主にKMSレーベルがリリースした作品集とはいえ、レイヴ系とデトロイトハウスを一緒くたにしてしまった点は多少無理があったとは思いますが、1曲目Underground Resistance"The Punisher"のレイヴの熱狂からラストSilent Phase"Wave The Rave Goodbye"のレイヴへの決別には、御大とKMSが特にUKに向けてレイヴの総括をしているようでやはり興味深く歴史的に貴重なコンピだと思います。

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