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黄昏から夕闇迫るゴブル砂漠東、吹き荒れる砂嵐とヒュンヒュンと鳴くドルボード、そこにあるのは遠くを走って行くデザートランナーとケダモンと自分だけ、ゴブル砂漠西へと沈んでいく夕日に向かってドルボードを走らせる。Full of Nothing.こうして俺の一日は終わったり時に始まったりする。もうやめるわドラクエ。時間の無駄だとさすがに気づいてきた。

discriminate
デスインジュンの恐怖のCD2枚組ベストのようです。アマゾンレビューの人もVERY BEST OF DEATH IN JUNEなどと書いてますが、たしかに曲数だけ取ってみても33曲、また裏ジャケにはPersonal Choiceと書かれているので本人入魂の選曲なのでしょう。そんなボリュームなので今の所ざっと聴きにしかならないのですが、初期名盤「Burial」から"Heaven Street"や"Black Radio"などの初期曲はポジティブパンクへと流れていくようなNW〜ジョイディヴィジョンからの影響も大の気がするバンドサウンドも非常に魅力的ですし、次作「Nada!」からはアマゾンの人も書いてるように大半の曲が収録のようでインダストリアル期からネオフォーク期への過渡期が感じられ、その後は「大体」(この言葉、重要(笑)ずるい言葉ですが…)インダストリアル的なメタルパーカッションや古いドキュメンタリーの戦争映画やもしかしたら氏にとって重要なのであろうドイツのプロパガンダ映画などから硬質な印象を受けるサンプリングなどは使用していながらも、楽器や歌という音楽的には根幹の部分は、アコギまたはエレキをジャラジャラと弾いている所へ詩(ポエトリー)を詠じているというフォーマット的には所謂ネオフォークが半分かそれ以上を占めている気がします。

それにしても、こういうベストを聴いていても思わずにいられないのですが、この人ダグラスPはやはり独自のネオナチ思想やジャケのように強烈なビジュアルイメージを大切にしているなど強烈な個性の持ち主だとは思うのですが、肝心の曲はやはりフォーク的にスカスカしていたり、自分のレーベルNew European Recordingsから過去作を何回にも渡り再版したりや中にはライブ盤やこのようなベスト盤も何種かあったりと、言わばリサイクルを繰り返している気もしており、また最近などはあまり聴いてませんがいっそうスカスカのネオフォークどころかなにか普通にフォーク化しているようで今後は大丈夫なのだろうか、などとこういった2枚組のベストを聴きながらそういった方面が気になってしまったというか心配になってしまいます。余計なことでした、そんなことには関係なく副題 ('81 ~ '97)の名の通りこの1997年時点での集大成的、総決算的ベストにして、圧倒的圧巻の曲群には違いないと思います。

DISCOGS