doublealbum
この人の本人名義での実質デビューアルバムになるんでしょうか、じつに何種類ものバージョン(版)があり単純に1枚、2枚、3枚の3種類が存在するようなのですが筆者のは2枚バージョンでした。各々メインであろう1枚目でさえ収録曲の微妙な差異がありますが、まあ最後の方にボートラ的曲が収録が主な違いのようです。

知ってる人には問答無用でしょうが、トランスでも独自のハードめ方向で時にトランスと言うよりもテクノやミニマルと言えそうな雰囲気があるしかしトランスなのでしょうか、ハードな序盤からミニマルで展開らしいものもなくガンガンときて唐突に訪れるブレイク(ビート&ベース無し)部で時にアディエイマスやディープフォレスト等の他人のそれも有名曲のサンプルが降臨するというのが収録曲の一部の特徴でしょうか。もちろんそのサンプルが全く無くハード&ミニマルだけの曲などもありますが、しかし筆者はこの人に音楽を単純または単調だと感じたことはほととんどありません。そう感じても無理の無いような音楽なのですが、その辺が何故なのか上手くは説明できず、また多分に思い入れ&想像の部分がありますが、おそらくこの人の長年のイタリアクラブミュージック界で培ってきた経験の豊富さがそうさせているのでしょう。歳は知りませんが(DISCOGSにも未掲載)それなりのお歳だと思い、それ以前かもしれませんが、私的に名前を確認できたのはいわゆるイタロハウス時代の1980年代後半なので、本デビューアルバムの2000年時点で既に10年はイタリアクラブミュージック界のそれも第一線で活躍していた人なのだろうと思います。その他名義も多数ありますが、初の本人名義のアルバムということでそれら経験と培われたセンスやクラブ現場感覚などがいわゆる処女作的に渾然一体と、時に爆発的に現れている傑作デビューアルバムではないでしょうか。

DISC2はサブタイトル"V.I.P. Lounge"という通り、一枚目の別バージョン集と言うよりも、トランスではないダウンビートっぽい落ち着いた雰囲気でしょうが、これには賛否分かれると思います。私的には上記のような師匠の音楽的バリエーションの豊富さが感じられ、なおかつ落ち着いて聴けるので問題作であると同時に歳のせいかこっちの方がしっくりきます。

DISCOGS