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おそらくこの手(とはパラダイスガラージ系?)では王道中の王道のようなアルバムじゃないかと思う、キースヘリングによるポップなジャケも有名でしょうが、なんといってもラリーレヴァンがプロデュースのみならず準メンバーとして在籍していたバンドの唯一のアルバムのようです。邦盤(CDは邦盤のみ)のライナーノーツを参考にすると、準メンバーと書きましたがそもそも立ち上げたのがレヴァンともう一人Michael de Benedictusという人であり、Michael de Benedictusが関わっていた2ワイスという別プロジェクトのミックスをレヴァンが担当という所から始まったバンドのようで、2ワイスのメンバーもいるようなので仕事中意気投合し話が発展していった発展型のバンドなのかもしれません。スタジオ内で機材を遊び半分ながら駆使しまくってサウンドを生み出していったバンドのようなので、なんとライブなどは全くしなかったというか高価な機材使用が前提にあったバンドなので出来なかったという、言ってしまえばスタジオ内で生まれスタジオの中だけで育ったなんとなく頭でっかちで観念的というのか、青白いもやしっ子のような雰囲気がサウンドから感じられなくもないです。しかしそれがこのバンドのかっこよさなのかもしれず、レヴァンも含め黒人3人、白人(プエルトリコやチカーノ系も入ってるかもしれませんが)3人による、やはりほとんど汗を感じない、かと言ってマシナリーとも言い切れないという、そんなテクノロジーを駆使していながらも黒いノリがあるというのが、一種特異な雰囲気があるサウンドとバンド自体の立ち位置かもしれません。もちろんチャート的な商業的成功はせず、しかしバンド名通りNYCのアンダーグラウンドクラブシーンでは当時もまた今でも語り継がれるような伝説的バンドでしょうか、そのバンドの貴重な存在証明のような唯一のアルバムです。

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