bongorock
長ったらしいバンド名はともかく、バンマス?の人Michael VinerはDISCOGS情報だけを頼りにすると米国の映画音楽家のようで、その偉業はよくわかりませんが、その人が映画音楽の先輩たちやローリングストーンズやベンチャーズなどの代表的すぎる曲をバンド名通りボンゴを始めとする打楽器系をメインにしたバンドでカバーしている、という少し企画も入っているかもしれないバンドの1st+2nd(レアLP、でも数曲が未収のようです)の準2in1コンピのようです。だらだらと長く書くつもりはないんですが、何より曲は指定しないながらも、でもやはり1曲目の"Apache"はおそらくご覧の人全てがどこかで一度は聴いていると思うほどのいわゆる大ネタであろうとは思います。一番有名なのはシュガーヒルギャングの同名曲かもしれないんですが、例えばレーベルメイトのヒップホップオリオジネイターの一人グランドマスターフラッシュ(GMF)がヒップホップでもあまりに初期(70年代前半?)ゆえにサンプラーなどはもちろんまだ予算等の関係で使えず、また初期のDJ的手法もおそらくまだ確立していないというかまだ試行錯誤の実験的段階だったのか、それらを使わない/使えないゆえのほんとに初期の手法、なんと生バンドでカバーをしている所にまだパーティラップのような正にDJに毛が生えたようなラップが乗るという、そんなヒップホップの黎明期から既にネタとして重宝されたような、そのような言わばインストゥルメンタルのブレイクビーツがここにはあります。

要はブレイクビーツとしても本当に古典中に古典で、ゆえに誰でもどこかで一度は聴いてる曲が中には必ずあると思いますし、なんと言ったらいいのか、ブレイクビーツとも単なる冴えない場末のクラブハウスバンドが客のためにノリのよいインストを演奏しているだけにも聴こうと思えば聴ける、そんな未分化感で、やはりこういったネタ集とも映画音学家が趣味で企画してしまった言わばお遊びバンドのそれのコンピを通して聴いていると分からなくなるほどです。特に中盤、上記ロックバンドのカバー曲やムード音楽にさえ聴こえるインスト曲辺りは正直陳腐にすら感じますし、打楽器メインのバンドそれだけで演られると一本調子で途中で飽きてしまうほどですが、しかし、本当に古典的大ネタとは誰でも一回は使いたくなるのも分かる普遍的なほどのグルーヴがあるという、"Apache"始め"Bongolia"(個人的にはジェダイナイツによるたしか少しいじった曲名の曲でサンプリングされてたので知ってましたが、ループとはいえけっこうそのままというかほとんどそれで成り立っていたのだなとおかげで分かります)辺りのめくるめくほどのグルーヴ感には陶酔状態になるほどです。CDのみのボートラ的ラスト2曲はなんとGMF自らによる原曲"Apache"のリミックスと、やはり例えばマッシヴアタックの"Angel"などでそのまんま使われてる気がする"Last Bongo In Belgium (Breakers Mix)"なども収録です。

ちなみに筆者の盤は計19曲入りですが、上記2ndからは3曲だけしか収録されてなく6曲少ない邦盤や外盤などいろいろあるようなのでもし買う場合は注意です(ボートラ2曲は収録のよう)。でアマゾンを見たらネタ使いにくわしそうな人のレビューがありました(笑)

DISCOGS