newnaked
リバプールが生んだ奇形児にしてもはや伝説的なバンドだと思うビッグインジャパンのボーカリストだったJayne Caseyという人のBIJ解散後のバンド(名義変遷はPink Military Stand Alone→Pink Military→)Pink Industryのコンピのようです。同名義での3枚のアルバムやシングルからかなりの曲数を収録している個人的にはこのコンピしか要らないかもしれないバンドコンピとしては優れた盤のような気がしています。ちなみに同タイトルコンピの一部曲差し替えされた(曲数は同じですが)2010年のリマスター再発盤になるようです。そんなざっと聴いているだけでこのバンドの全てとは言わないまでも全体像が分かるような盤だと思いますが、最初にざっと一通り聴いた後には正直ワンパターンなバンドだなと思ってしまいました。そのパターンとは敢えてなのか予算の関係でやむを得ずだったのか、しかしこの確信犯的な音を聴くとおそらく前者であろうじつにチープなドラムマシンというよりもリズムボックスと言ったほうがふさわしいような音で、やはりリズムボックスばりかもしれない単純なパターンの打ち込みサウンドはまるでデモテープのようにさえ聴こえます。と言いますかこのバンドの音自体、本コンピのような音を他のバンドが奏でていたならばそれはまるっきりデモテープその物と思ってしまう人がいるかもしれない、そんな作風で統一されています。それは潔いほどで結局これが彼女たちが奏でたい音楽だったのかと思わされます。人によっては途中で飽きるであろう程のワンパターンさなのでいわゆる一般受けはしないのも分かりますし、ゆえに知名度が低いのも分かりますが、上記のようなバンドとして一貫した表現の姿勢は硬派なので個人的には好感が持てるバンドと音であります。

DISCOGS


(↑主な曲はだいたい一緒)