flextone
鬼才アトムハートのこの名義でのアルバム(CD1)+その他名義からボツテイク?集(CD2)の2枚組のようです。まず氏はじつはそれほど得意な人ではないんですが、これはなんとなくというかどちらかと言うとボツテイク集の方に引かれて買っています。しかし本盤であるCD1もまだざっとですが聴いていた所、なんと言うかアルバムとしての整合性とでも言うか、曲毎に変わる曲調はアルバムとしての特に流れなどをほとんど考えてないように聴こえ、逆のその点が個人的に気に入りました。まるで日記を書くように日々出来上がっていった日付順に羅列していったかのような印象です。やはりそんなアルバムとしての体裁やこちら聴く側の気持ちなどほとんど考えてないようですが、もしかしたらそういう意図による確信犯的なアルバムのようにも聴こうと思えば聴こえます。基本的にテクノというジャンルには括られるのでしょうが、それでも氏のエレクトロ、ラテン、ラウンジ方面などへの嗜好性やルーツも垣間見えるような内容かもしれません。そして2枚目は寄せ集め的で0〜1分台の小曲などもあるのでその様は目まぐるしいほどですが、しかし、不思議なことにどちらかと言うとこちらの方に統一感を感じました。そういった意味ではこちらの方がアルバム的かもしれません。とりあえず、特段のファンでもない者にとってはCD2枚でお腹いっぱいになるのですが、それでもこの人が様々な引き出しとそれを具現化できてしまうという才能も同時に持っている、やはり飛んでもない鬼才なのであろうという事は十分に分かった作品でありました。個人的に少し見直したほうが良いような気もいたします。

DISCOGS



(正規バージョン、収録のはインストバージョン)