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今となってはダークアンビエントの第一人者ラストモードと今はどうしているのか?と個人的には往年のピュアテクノの代表的な一人だったというくらいしか知らないラゴウスキーという大物(笑)二名による夢の共演ユニットによる唯一のアルバムのようです。と言いますかシングルリリースは少なくともDISCOGSには載ってないので、両者コラボによる唯一の作品なのかもしれません。結局両者は知ってる人は知ってるのかもしれない(しかしそれを知ってる人はたぶんそれなりの人物(笑)かく言う筆者はさっきレビュー用にDISCOGSを見て知りました)どうやらSPKのSide Effect関係者らしく、もしかしたらその関係でこのコラボに至ったのかもしれません、とは仮定ですが…まあそんな仮定は置いといて肝心の音的には力技ながらも所々精密なほどの計算的な部分を見せる、インダストリアルと言うよりもいわゆるEBMになるのでは?と思われます。いきなりですが中々の好作です。きっと大物両者のどちらかのライセンス関係の不認可により再発もされないまま廃盤状態のようですが、これは勿体無い。やはりメタル人力ハンマーメタルビート的?ヒューマンなテイストが多いインダストリアルと言うよりも打ち込み主体で時々この手のジャンルではお約束のようなテレビのドキュメンタリーからのナレーションのサンプリングなどが乗るという、ある意味典型的EBMじゃないかと思うんですが、まあ言ってしまえばその手の良く出来たテンプレートのような盤だと思います。そういった意味ではあまり意外性という面はないんですが、それも1992年という年を考えるとしょうがない事なのかなとも思います。逆に20年以上前にこういったハイパー(死語)メタリックインダストリアルビートをもう奏でていたという両者は凄いのかもしれません。但しもっと前にフロント242やフロントラインアッセンブリーやミニストリーもかな、そういった連中がやってしまっていた事だとも思いますが…まあ良く出来た優等生的ユニットと言えるのかもしれません。

DISCOGS