indoorfireworks
この当時は鬼才と騒がれていた気がするハーバートの名義の2ndのようです。今のハーバートはよく知らないんですが、この当時からMatthew Herbert、Herbert以外にも名義はあったかと思い、その中でもその本人名義以上に好きな名義だった気がしてます。と過去形にもなるほどこれも10年以上も前の作品ですが、しかしけして古びない普遍的なほどの斬新さがあり、もしかしたら、30世紀くらいの宇宙航海時代にもデッキのラウンジでクラシックとしてかかっていてもおかしくない音楽という気すらします。実際知っている作品の中では最もクラシックやジャズを感じるアルバムで、やはり元祖環境音楽のエリックサティやミニマリストという意味ではマイケルナイマンなどの音楽を連想する曲はあります。そしてロマンチックで艶っぽい、それらとはあまり縁がないテクノというジャンルの中にあって、この人というよりも特にこの作品は艶っぽい。それは細切れになっていながらも現実音をサンプリングしていることによる、人々の生活感がそこから否が応にも漂ってきて、そこには愛があるからなのでしょう。かつて鬼才と呼ばれた人が恐らく最も乗っていた頃に、本人名義以外で発表されてしまった、傑作ではないでしょうか。

DISCOGS

Cafe De Flore

Music From A Film