new europeans
ウルトラヴォックスの日本独自編集盤です。とりあえずこの変則的なアルバムがもしかしたら彼らの知っているアルバム中で一番好きかもしれません。日本のウイスキーのCMソングとしてヒットしたタイトル"New Europeans"と「エデンの嵐」からのシングルカット曲"The Voice"を軸に(とライナーノーツで山田道成氏が書いています)、その他はシングルB面曲だけで構成されたアルバムですが、本人達選曲らしく、B面として特に日本で眠らせて置くには勿体ない曲を選んできているようです。もちろんミッジユーロ時代なので彼が持つ時に臭いほどの哀愁感やドラマチック感のある楽曲"I Never Wanted To Begin","Waiting"や、ライブ曲"All Stood Still","Private Lives"も存在しますが、個人的にはB面、B2&B3の2曲がキモではないかと思ってます。まず"Herr X"は「ヴィエナ」収録の"Mr. X"のドイツ語バージョンでより廃頽的な雰囲気がかっこいいですし、インスト曲の"Alles Klar"はシンセ音丸分かりのランダムシーケンスのアルペジエーターによるベースラインが堪りません。はっきり言って、未だにこれ以上にクールなエレクトロトラックスは知りませんし、またこの80年代初頭だからこそ出来てしまった奇跡という意味でこのかっこよさはこれからも再現不可能なのではないか?とすら思う半インスト&インストの2曲だと思います。次ぎの"Waiting"も、途中ミッジ節のダサロック調にさえならなければ完璧な3曲の流れになっていたと思ってます。

DISCOGS

Herr X

Alles Klar