Void
いわゆるテクノ界にも孤高のアーチストというのが何人かいると思いますが、このレオアニバルディもその一人。容姿からしてスキンヘッドという人を威圧する感じの人ですが、音も負けずに時々恐怖感すら覚えるようなもので、イタリアのローマという観光地化した古都のベッドルームの一つから作りだされた、一種なんとも陰鬱なテクノについ街の歴史にまで原因を追求したくなるような独特のものです。主なリリースは地元の名門テクノレーベルACVからのようで、それらも多数に及ぶようですが、このアルバムはUKテクノの名門Rephlexがライセンスしてリリースした物です。エイフェックスツインが「こいつは俺に匹敵する」と思ったからではないでしょうか。アナログだと3枚にも渡ってストイックなテクノが延々と続く、という意味ではテクノ名盤の一枚かもしれません。筆者も含めてなんちゃってテクノ好き程度ならばこの74分にも及ぶ一枚を通し聴くのは骨の折れる作業かもしれませんが、しかしエクスペリメンタルやアンビエントやミニマルミュージックのエッセンスは持ちながらも、それらが最後に収束するのは結局テクノ、というルーツへの忠実さの部分にはけなげさすら感じます。彼の写真を見るとそれはなくなりますが。やはりホラー好きのイタリア人が栄枯盛衰すべてを見てきたローマという街をバックグラウンドに、ねじれたような音を紡ぎだしている、のかもしれません。総じて傑作です。

DISCOGS

Void (A2)