Thirty Thousand Feet Over China
不遇のパッションズの2ndです。かなり売れたとは思ますし、なんと言っても1曲目"I'm In Love With A German Film Star"は少しでも80'sミュージックに興味のある人ならば誰でも知っているような曲だと思いますが、しかし、"I'm In Love With A German Film Star"は知っていても他曲はほとんど知らないという人も多いのではないでしょうか(かく言う私もその一人でしたが)。ゆえに、いわゆる一発屋のレッテルを間違って貼られそうなバンドではないかと思います。しかし、少しでもこのバンドに興味が出た人は非常に幸福、その一人である私もその曲から入り、この手の発掘に意欲的なCherry Redからのボーナストラック5曲入り再発盤を手にし、上記のような意味で隠れた楽曲群を聴いた時、このバンドの持っていたポテンシャルの高さにかなり驚きました。ボーナストラックも含めて駄曲が見つかりません。オリジナル盤であった10曲はアルバムとしての流れはあまり考えてなさそうな脈略の無い配置で、確かに"I'm In Love With A German Film Star"は中でも抜きに出て求心力のある曲である事は認めますが、以降も同傾向の英国的にけして熱くはならず少し湿ったような情感の秀曲群だと思います。さらに上手いタイトルがアルバムの雰囲気をよく表していますが、地に足があまり付いていない浮世離れした浮遊感が彼らの強烈なオリジナリティーではないでしょうか。恐らくかなり過小評価されているバンドの一つです。DISCOGS