paul hardcastle
大体、自らリクスを負わずして何者かに思われたい、尊敬を勝ち得たい、影響を与えたい、自分の存在価値を知らしめたい、など、虫のよい話であろう。たとえどんな素晴らしい知識や教養、センス&美学など持っていたとしても、それを披露する為のツールを持たなければ、いやゆる宝の持ち腐れとなる。たとえばこんなネット上でも、そこにただいればよいと言う事はありえず、何らかのアクション、まだまだ未熟なネットワークなのでその主たるツールはまだ文字なのだが、自らを表現する為の「言葉」を持たなければ、上記4項目のような事は達成できない。説得力も持たねばならず容易な事ではないのだ。つまりあなたがもし上記のような事を欲しているならば、楽をしていてはダメなのだ。もちろん欲していないと言うならば、別だが。

その点、The Jazzmasters、Kiss The Skyなど多数の名義を同時進行的にこなし、かつ自分名義のアルバムまで積極的に出していたこの男は、汗をかいているという点だけでも説得力を持っているのではなかろうか。自分名義では実質1stとなるこのアルバムは、大ヒット曲"19"のおかげもあり商業的にも大成功したようだが、早24年も経った今どれほどの人の記憶に留まっているアルバムだろうか。全編当時なりのオールドスクールエレクトロであり、上記2ユニットで時々展開するバラード系はここには一切無い。しかし故に、プログラマーやマシンエンジニアとしても一流のプログラミングによる純粋に彼の美学が溢れだす、一流のダンスミュージックのオンパレードだ。ほぼ一から十まで自分の手により創り上げたであろうが故に、説得力がある。たった一人の男によって築き上げられたダンスミュージックの金字塔だ。

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