ゴールデンウィーク初っ端早朝からこんな映画をみてしまったのでね、自身忘れない為にもレビュタントしたいと思います。まあ結論から言うとキューブリック嫌いな筆者でも面白かったのですが、ちょっと長いね(3時間超)そこが玉に傷。この人物、でも実在した人?や背景である七年戦争等の史実は、歴史音痴の私にはさっぱり予備知識なし&ピンと来るものは無かったんですが、それはキューブリックもその点、歴史に重きを置いて無いせいもあるのでしょう。

長いのでストーリー的部分は省きたいのですが、要約するとぶっちゃけヤクザ者の話でしょうね。貧しい庶民の出から、わらしべ長者的に巨万の富&名声を誇る名家の婿となり、最後は片足失って、その名家の嫁と義理の息子から年金をもらってバクチ打ちとして朽ち果てる、というやっぱりヤクザの話でしょう。

そんな話がキューブリックの得意とするところの厭世的&不条理感が根底にある映像美とともに繰り広げられる所が傑作たるゆえんなんでしょう。実際恋人同士のロマンチックであるはずのシーンや人が死んで悲しいはずのシーンもすべて全然そんな感じしませんよね。常に緊張感あるというか、ずーと平坦な感じというか、やっぱり厭世的に全てに冷めてるんだと思います>キューブリック。もっと言ってしまうと「こんな映画もどーでもいいや」という投げやり感まで感じてしまうのは筆者の思い過ごしでしょうか。

でも、いやゆえに、映像美は素晴らしい!彼は元カメラマンでしたよね、既によく言われてることだと思いますが、いわゆる「カメラ(映像美)」は最高ですね。それだけでも見る価値あり!正直話はどうということないので。今まで見たそんなに多くない映画の中で、映像は一番美しい映画だと思いました。ほんとに。
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それにしても(続きますよ)イギリス人って人が悪そうというか腹黒いというか腹に一物もってそうでイイですね。あのキングオブイングリッシュ?でハロォ〜ゥ(HELLOですが)ていう発音聞くだけでもムシズが走るというか。実際ウエルウエルウエル〜(WELLですが)とか言われたとしたら、ちょっと怖いかも。あとまあ皆さんご存じのように僕も上流階級出→斜陽の身なので、イギリス自体に親近感ある、というか多分前世ではあんなオシロイ塗りまくった真っ白な顔と真っ白な巻き毛のカツラかぶってチェンバロとか弾いてたと思うんですよね僕。それはアマデウスか。

ちなみに一番ウケたシーンは、ラッド卿(でしたか)がイカサマ賭博で負けて払う気なかったのにリンドンと対決し、わき腹に剣を突きつけられたら急に「今日払います…」となった所、といっても見た人しか分かりませんか(見た人でもウケるかどうか分かりませんが

♪GEORGE FRIDERIC HANDEL'S SARABANDE