PSBではこの変則的アルバムが一番好きです。既発曲を無駄に長くしたエクステンデッドなリミックス盤ですが、一番好きなだけあって収録曲全て好きです。'88年当時の一般的レベルにまで流行り始めていたシカゴハウスやその派生型としてのデトロイトテクノのフレイバーを取り入れてる所などもこのアルバムのツボです。しかしそれはあくまでフレイバーであって本場モノの凄みには到底及ぶはずもなく、しかし、そこら辺ははいかにもUK的クラブモードミュージック的に口当たりの良い加工食品化しています。その加工食品化にトータルでこれほど成功しているアルバムはPSB以外アーチストをざっと見渡してもまず無いでしょう。

個人的ベストトラックは、そのUK的クラブモードミュージック→ディープなハウス調(エルヴィスプレスリーカバーであるラブソング→「おまえはいつも俺の家にいるな…」)へと一気に切り替わる"ALWAYS ON MY MIND/IN MY HOUSE"や、ラストの似非シカゴハウス調(CECE ROGERS"SOMEDAY"か"JOE SOOMTH"PROMISED LAND"調)"IT'S ALRGHT"も相当好きですが、それ以上にプロデューサーのトレヴァーホーンにとっても面目躍如の仕事だと思う一曲目、なにかかったるいUKパーティーピープルの憂鬱的歌詞にしては、イケイケかつ昇降を繰り返すベースラインが非常にグルーヴィーにして明日への希望も溢れてくる名曲です。

♪LEFT TO MY OWN DEVICES / PET SHOP BOYS