昨日見たこの映画でも。これ2回くらい見てますけど、まあまあ面白いね。あらすじなんて全員ご存じだと思うので書きませんし、いろんな解釈もされてるとは思うんですが、そんなものも一切見てませんし、当たり前ですが超個人的解釈でいきます。とその前に、映像美について。

ロケの場所はアジアのどこなのか知りませんが(インドネシア?)大島監督はイイ目を持ってますね(笑。特にグッときたのは、ヨノイ大尉とローレンスとハラ軍曹があれは教会の裏なのでしょうか、その白い建物の裏で2・26事件について話してる場面や、ジャックセリアズのイギリス時代の回想シーンは全部グッときますね。イギリスシーンは、なんでしょうあれ、フィルムも違う種類の物使用か、またはイギリスの気候風土が撮影にも影響してるんでしょうか、色が違いますよね。少しボヤっとしたようなソフトな映像で美しいです。

映像美はそれくらいしか思わないんですが、テーマはいろいろとありそうです。
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まず思いつくのは、日本的、特に神道的なある意味マッチョイズム、つまり精神論で全てを強引にやって行っていこうとするヨノイ大尉を始めとした日本軍と、西洋的合理主義や個人主義でやっていこうという俘虜長やローレンス(セリアズはまた別次元)を始めとする俘虜軍団との対立ですね。そりゃ訳分からんでしょう俘虜軍団は。ハラキリ見せられたり(ジョニー大倉、萌え)、誰だか分からん無線ラジオを持ち込んだ犯人の代わりにローレンスが罪を被って自害すればそれでOKみたいな考え方は。捕まったらなんで死なないんだ?と言われてもねと。真剣で太刀稽古するヨノイ大尉から「行!」とか言われて何も食うなって言われても、腹が減ったら花でも食うって方が人間らしいと思いますけど。

セリアズについてですが、イギリスで弟への仕打ちの贖罪があのような大胆かつ人格者へと昇華させたってのは大島監督の意図だと思いますね。それにどうしようもなく惹かれていってしまうヨノイ大尉も無理はない、という暗黙の説得力になってますよね。そこら辺もさすがに上手いと思いますよ>大島監督。

後はメインテーマ?男色ネタでしょうね。その太刀稽古(ってのも少しエロチックな匂いが)をしてた大尉の従卒が、セリアズへジェラシーを感じたり、やっぱりカネモト(ジョニー大倉、萌え)と負傷したオランダ兵だっけ?との密会なんて少しゾクッときますね。でも前線の兵士なんてあんなもんでしょう。そこら辺もリアルじゃないでしょうか。男ばっかりの世界にずっといれば、女の代替としてお互いを意識し出しますよ。きっと誰でも。男って悲しい生き物ですね(笑

それにしても俳優陣はどいつもこいつも、もちろん教授をはじめ(「ジャックセリアズ!?」っていう時いっつも笑っちゃうんですが)ダイコンばっかりの映画ですね。どうもボウイは手を抜いてる気がするんですよね。一番の名優はやっぱりビートたけしでしょう!「わかってるのはローレンスだけだ!」ってガキ大将みたいでカワイイ。ま彼はあの映画中で唯一の子供キャラなのでしょう。そして最後に悟ると。ある意味彼の成長物語?

あとセリアズがヨノイとハグするときのスローモーションが気持ち悪い。
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♪GERMINATION / OST