鬼才二人のコラボ的アルバムでしょうか、もちろん主なボーカルはDジョンストンのようでご存じの方には説明不要のまあ死語で言わせてもらっていわゆるヘタウマなそのボーカルと、Jフェアともう一人Chris Bultmanという人によるこれも死語かもしれないいわゆるローファイサウンドと、もの凄く大雑把に言えます。本当に気が向いた時にだけその辺にあった楽器でもってやりたいことをやっている音楽、と実際つい書きそうになってるんですが、しかしミックスダウンを取って見ると、楽器ごとの意外と細かいパン振りや奥行感の差など、まあミックスダウン時だけの事かもしれませんが、実は彼らなりの計算、具体的に言ってしまうとローファイやジャンクとして聴かせる、思わせる、という努力の後のようなものが感じられます。先週ハーフジャパニーズの時も書いたんですが音楽が好き過ぎるゆえの産物がここにもという感じです。誤解恐れず言うと、私はこれ以上真面目な音楽というのを他に知りません。それはもう涙なしには聴けなくなるほどです時に。やはりヘタウマの皮を被った音楽の神の一人(バンドですが)がここにひっそりといた、と思いました。風貌がまた英語で言ういわゆるナードな三人、たぶんそれは日本で言うオタクとはまた違ったものかもしれません。そんなイケてない、まったく女にもてなそうな風貌の三人ですが、いわゆるナードも極めるとこのようにある意味マッチョでビジュアル系を凌駕する耽美的な匂いまで醸し出せるのだな、とレトリックとして書かせてもらいます。聴かずに死ななくてよかった…
DISCOGS