Pカウリーが1970年代後半(1976〜1979)にボーカリストJorge Socarrasをフィーチャーして制作したはイイが、どういった事情なのか(わかりません)この正式なリリース年2009年までお蔵入りにされていたアルバム、とのこと。まず一聴、主に自分のレーベルMegatoneから一連のリリース作品や、彼の名が一躍世界中に知れ渡ったとも言われるドナサマー"I Feel Love (Mega-Mix)"での仕事のような、カウリーといえばHi-NRG、という連想がここでは全くと言ってイイほど通用しません。DISCOGSにもStyle:New Wave, Synth-pop, Experimental, Discoと書かれてるように、同時代のドイツのNDWやイギリスのNW、または同国アメリカのNYディスコシーンなどからの影響が覗い知れ、彼の様々な顔がこのアルバム一枚でいろんな角度から見れるような、資料としても貴重にしてやはり非常にバラエティーに富んだ素晴らしいアルバムという印象を受けます。常に勉強不足でカウリー=Hi-NRGサウンドと狭量に思い込んでいた筆者には、このサウンドのバラエティーさはある意味衝撃的ですらあり、しかし今更ながら1982年に32歳という若さで(エイズで)亡くなってしまったという事実に「この人が今でも生きて(たとしたら、それでも63歳)音楽を作っていたならばどのようなものになっていただろう、ポピュラー音楽界の地図を塗り替えていたかもしれない、音楽界は偉大な才能を早くして亡くしてしまった、合掌」とわりと本気で思わされました。様々な(大人の?)事情でお蔵入りになっていたと思いますが、それもまたその時間が極めて勿体無く思われ、悔やまれるほどの衝撃的なアルバムです。そこのあなた、必聴かもしれない(?)陳腐な言い方すると聴く音の万華鏡。
DISCOGS
Robot Children (Do You Love Your)
You Laugh At My Face