↑も気をつけて見てね…
前エントリーのジョニー・キャッシュが米国の心の父ならば、英国ならば誰だろうか?と思いこの人が浮かびました。門外漢が経歴は語れませんが、ベストの一曲目にもなっているソフトマシーンやマッチング・モールの頃から、何と言うかナチュラルにフィルターが掛かったような、個人的にはウッドベースを連想させる言わばオーガニック的な暖かさがある独特の声質で、その声だけで癒やされるようでとてもアットホームな気分になれます。ほんとこの人のボーカルは完全に楽器じゃないか?と思わされます。私はあまり主張の強いボーカルは好きではないんですが(とくに金属的なボーカル)やはりウッドベースが一番近いかもしれず、この人の声でヒューマンベースが出来るんじゃないかとさえ思います。
本作は分売もされてたらしい一枚目「Ex Machina」も本人名義と上記バンド時代の曲という純粋なベストももちろん良いんですが、その他豪華アーチスト陣とのコラボ収集盤である「Benign Dictatorships」(温厚な独裁国家?まさに…)がまた良くて、そちらの一曲目スウェーデンの作曲家兼歌手らしいJeanette Lindstromという人の曲"The River"から心に沁みてくるような名曲で和めると思います。しかしその後の曲調が意外とバラエティに富んでいて、例えばワーキングウィークはラテンテイストのアシッドジャズ、次曲ではフィル・マンザネラとのロキシー・ミュージックばりのノリの良いロックといった感じで、まあこの人の純粋な曲群ではないですが、しかし逆にこの人の声の存在感は凄いのだなと思わされます。
何故か?超名曲「Shipbuilding」がそのコラボ盤である2枚目の方収録ですが、やはり上記で書いてしまったウッドベースとの共演のような曲なので、我が意を得たり?のコラボのような曲かもしれません…言ってしまえば1枚目は純粋なベストゆえにファンでない人にはもしかしたら濃い内容かもしれませんが、2枚目はこの人抜きでも良曲のオンパレードなので、ファン以外でも流していて気持ちの良い盤かもしれません。
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